建築おもしろ業界方言用語集

★ご注意★

建築の工事現場などで交わされる会話は、一種独特、でもここを見ればあなたも堂々と会話が出来るようになる(ほんとかな?)     ただし、むやみに使用して損害や何らかの支障をきたしても当局は一切関知しません。
ここで取り上げた用語は、かなり地域限定部分が有るので
(標準)→ だいたい通じる
(一部)→ 一部業種で使用する
(限定)→ かなり限られた地域、或いはごく一部の人だけ通用する

という風に表記しています。 また、解釈に付いては当局の独断と偏見が入ることもあるのでご了承下さい。


このページを見て「自分も面白い言葉を知っている。聞いたことがある。使っている。」または「この用語の解釈はこうじゃないの。 これちがってるよ。」「こういう解釈もあるよ。」という意見があれば、どんどんページに反映していきたいと思いますのでぜひ ご連絡下さい。


Index             


あいばん 合番
(標準)各作業に対して補助的、助手的な作業をする事、またはする人のこと
<例>コンクリート打ち合番
あひる
(限定)動物ではない。コンクリートの建物でサッシを取付溶接するためにコンクリート打ち込むサッシアンカーの事、 形からこう呼ぶようだが・・・
いぬばしり 犬走り
(標準)建物外周にある細長い土間、良くある事に仕上げをしたばかりの夜中に何故か犬の足跡が・・・
いも 芋
(標準)1.タイルや、レンガ、ブロック等の目地が縦横とも通っていること。芋目地<対>破れ目地
2.鉄筋の継ぎ手が隣どうし同じ所にくること<対>りゃんこ
いんごかく
(一部)木材の寸法で1寸5分角の木材を略していう(45mm x 45mm)。実際は木取りの都合上42mmx42mmのような寸法のものもある。
うま 馬
(標準)4本足をつけた架台、作業台、敷物
えいぞうちょうせい 映像調整
(一部)ビルの壁面がガラス張り(カーテンウォール)で外周の景色がガラスに反射して映るが、その写った景色は普通歪んだり、 ガラスの境目でずれて写ったりするがそれを出来るだけ正常に写るよう調整する事。「画像調整」という場合もある。

かくすこ 角スコ
(標準)スコップの先が尖ってなく角張ったもの、平スコともいう
<類似>練りスコ剣スコ
かせり
(限定)手前のラインと先のラインが平行かどうか<例>階段で段の前面が各段共平行で一直線に並んでいる時を「かせりが合っている」など。 「限定」としているが、状態の表現としては非常に的確で理解しやすい用語だと思う。用語のルーツは不明。
がちゃ
(限定)ラチェットレンチの事、ラッチと言う人もいる。
かって 勝手
(標準)右勝手、左勝手などと使う。左右や前後など対称がある場合にどちらか識別できるようにするために用いる。
かなばかり 矩計
(標準)図面において主要な部分の断面図の事を言う。各部分の収まり等が分かるように詳細に書くのが普通。
かね 矩
(標準)お金とは違う。直角のこと。方言が混じると「かねんて」とか言ったりする。(九州北部?)
かぶり 被り
(標準)鉄筋コンクリートで鉄筋とコンクリート外面までの確保距離、これが小さいと鉄筋の錆が出たり、構造強度が設計通りにならないなどの影響が出てくる。 外面の仕上げなどの状態で細かく規定されている。
かるこ
(標準)墨出しに用いる墨壺の、糸の先端に結びつけた物、針が付いていて墨打ちの時木材等に刺して使用する。
ギャング
(一部)マフィア等は関係ない。木材を製材するとき、そのまま下地材として使用できるようにある所定の寸法で正確に、 また表面をなるべく平滑になるよう引き立てたもの、また引き立てることをギャング引きという。間柱等に使用する。
けんすこ 剣スコ
(標準)角スコと違って先が尖塔形になっているスコップ、一般にこれが一番多いと思う。
こしかけ
(一部)コンクリートの中の鉄筋を型枠との間隔を保つために入れるスペーサー。主にスラブ(床版)の配筋に用いる。
こんぱね コンパネ
(標準)コンクリートパネルの略で合板のこと、建築では一般に厚み12mmの物が良く使われる。寸法が1,800mm x 900mm(3'x6')とベニヤの1,820mm x 910mmと違うことから「ベニヤ」と区別することが多い。

さいころ サイコロ
(標準)形からこう呼ぶが、コシカケと同じように鉄筋のスペーサーで主に鉄筋の下に敷き込んで使用することが多い。
さぶろく 3'x6'
(標準)材料の寸法を表す言葉、昔の尺貫法での呼びから来ている。(3尺x6尺)こんぱねの項を参照、コンパネとベニヤ類(仕上材)は同じ3'x6'でも寸法が違う事に注意。
さんろ 3路(スイッチ)
(標準)照明のスイッチなどで例えば玄関と廊下など一つの照明具を2つのスイッチで互いにon/off出来るようにした回路
しの
(標準)番線(なまし針金)などを縛り締め込む時に使う道具、先が尖っている棒の様な形、ラチェットレンチと兼用になっている物もある。
しゃこ シャコ
(一部)シャックルの事、U字型の上部に専用のボルトをねじこんでワイヤーなどと組み合わせて使用する。
しゃぶしゃぶ
(限定)塗装の材料などで希釈(シンナーなどで薄める)した場合に薄めすぎた状態のこと。
じゃんか ジャンカ
(限定)豆板というのが標準だろうか、いわゆるコンクリートの打ち込み時に出来た充填の不良部分。
スケール
(標準)長さ或いは縮尺、長さを測る道具、物差し、巻き尺、コンベックス(携帯で使用できるように小型で、自動で巻き取りするように作ってある巻き尺)
ぜねこん ゼネコン
(標準)何となく悪い印象漂う言葉だが、決してそういうことではない。(と思う)
ゼネコンとは「General Constractor」すなわち総合建設会社のこと、みんなが悪いのではなく悪い会社が目立っているだけだと思うが・・
せぱ セパ
(一部)野球との関係はない。型枠の間隔保持に用いるセパレーターの略、両側にねじを切ったボルトでフォームタイという金具を使って型枠を固定する。

たっぱ
(一部)高さ、丈、階高の事、「たっぱはなんぼ?」となぜか関西弁が入るのも不思議
たてまえ 建前
(標準)棟上げの事、本音と・・はチョット違う
たてり 建てり
(限定)垂直度、建ち、垂直に立っているかどうか等、建具の建付けに似た言葉
だめ ダメ
(一部)一連の仕事の内、何らかの都合で(忘れもある)一部が未完の状態の部分、やはり終わらせるべき仕事は終わらせないとダメなんでしょうネ。
ちり チリ
(標準)例えば柱と壁、窓枠と壁など、異種部材間で同一面にせず10mmとか15mmとかの段差をつけてあるが、この段差の部分をいう。 これに対し正面の部分を「見付(みつけ)」という。
つめ
(一部)「ツメを折る」というと痛そうだが、鉄筋の末端を折り曲げる、すなわちフックをつけること、フックをつけた部分
つる ツル
(一部)つるはしの略、「おーい、つる持って来い」と言われて鳥の「鶴」を探す人はまさか居ないと思うが
でべ デベ
(一部)デベロッパー(Developer)の略、正式には地域開発を行う団体、業者、宅地開発業者
てんぐどり 
(一部)材料などの運搬を人力でやる場合、数人で次々に手渡していく方法
テンパ
(標準)強化ガラス、メーカーによって「テンパレックス(セントラル硝子)」「テンパライト(旭硝子)」「タフライト(日本板硝子)」と名称は異なる。
ドーナッツ
(標準)サイコロは床版で主に用いたが、壁の鉄筋の場合に用いるのが「ドーナッツ」だ。形状がドーナッツ状で壁筋にはめ込み、型枠との間隔を確保する。
トラ
(標準)トランシット。垂直、水平角を測定する事が出来る測量器械、水平、垂直自由に動かせる小望遠鏡が付いている。トラ模様はまた別の意味で、黄と黒の交互の模様の事
とろばこ トロ箱
(限定)左官さんがモルタルを練るときに材料を入れる器、魚を入れる「とろばこ」と形状は似ているが、これでは水もセメントもこぼれてしまう。
とんぼ 
(一部)コンクリートや土、砂等を平らに均すときに使うT形の道具
防水などで下地に金網(ラス)を張るとき金網を止めるときに使う材料(画鋲を大きくしたような形状)
トンボクレーン。規模の大きな建物を工事するときに設置する固定式のクレーンでブームが水平で起伏せず全体が大きなT形をしたクレーン

なく 鳴く
(標準)正常であればなんの音もしないのだが、床を歩いたり建具を動かすと「ギシギシ、キー」と音を立てる事。 普通は嫌われるものだが、もし床が「ホーホケキョ」という音だったら「うぐいす張り」だな!
にげ 逃げ
(標準)基準墨が書けない場合、基準から適度な寸法で避けた所に付けた墨、印。
ねこ
(一部)一輪車の事。なぜ「ネコ」なのかは知らないが、材料運搬の時「ネコの手も借りたい」と思ったら重宝する。
ねまき 根巻き
(標準)「寝巻き」でないことに注意。型枠の根元の桟木や隙間を埋めるモルタルなど。また、鉄骨の柱などで下部だけを コンクリートで巻くことも「根巻きコンクリート」などと表現する。
ねっと ネット
(標準)網と言う意味もあるが、ここでは金額的な言葉で「仕切値」。業者との契約金額を交渉するときに良く使う言葉だ。
ねりすこ 練りスコ
(標準)通常の角スコより少し小型でモルタルやコンクリートを練るときに使用するスコップ。

パーチ
(一部)パーチクルボードの略。木材ののこ屑等で圧密成形したパネル。テーブルや棚板、床の下地材などに使用する。 重量が比較的重く、水には弱い。
ばかぼう バカ棒
(標準)なにかしら面白い名だ。ある寸法を測ったり、印を付けたりする場合に一々スケールで測っていたのでは能率が上がらないのであらかじめ測って印を付けた、或いは所定の長さに切った棒を作り使用する、その棒のこと。
はっか 白華
(標準)モルタルやコンクリート、タイルの目地などで石灰分が表面に白く出てくる現象、はなたれ
ハッカー
(標準)コンピューター関連に出てくる用語とまた別、鉄筋を細い番線(結束線)でくくるときに使用する道具。
はなたれ
(一部)白華(はっか)現象、いかにも洟垂れに似ているからだろう。
バリヤフリー
(標準)最近特に多くなってきたが、身障者や高齢者にも快適な生活環境、住空間をと言うことで、床の段差を無くしたり、出入口幅を広く取って車椅子を考慮したり等、身障者、高齢者にとっての不便な障害を取り除くことを考慮したシステムや建物。
ピッチ
(標準)@(アットマーク)、間隔、図面では「@100」などと書いてあるが「アットマーク100」とはいわないぞ、「ピッチ100」または「100ピッチ」と言うのが通例。
ぶり 振り
(限定)下げ振りの事。垂直を調べるために用いる道具、専用の糸に先端を尖らせた錘が付いていてぶら下げたときに糸が垂直になるのを利用する。
ふりく 不陸
(標準)水平であるべき部分が凹凸になっている状態、真直ぐでない。ちなみに一部の人の用語で「ふりく」→「水平でない」→「水平なら」→「陸」→「ろく」→「ではレベル墨は」→「ろくずみ」と5段活用するがこれは(標準)なのかまだ未調査だ。
フリッパードア
(標準)家具などで扉を開いた際に扉が箱内に収納できるようになっているもの。よく仏壇を置くところに使用されることがある。扉をつった丁番が内部へスライドする構造になっている。
ぼんこし
(限定)大ハンマー(数Kgある)。なぜ「ぼんこし」なのか良くわからない。ちなみに大ハンマーの下は「セットハッマー」、ハンマー部が木製のが「かけや」という。

まめ 豆
(限定)→じゃんか
ミルスケール
(標準)鉄骨や鉄筋など素地の表面に着いている黒い皮膜(黒皮)、そもそも製造過程で出来た酸化皮膜だが、 「さび」とは区別する。
めっそ
(限定)目で見た感じの適当な寸法、量、重さ。けっこういい加減な測り方。
メベル
(限定)レベル(水平)を機械を使わず目で見ること。めっそに近いが、場合によってはこれでも通用する場合あり(目は正直ってとこですか。 (^^; )、対象物に対して他の水平な部分(建物など)と平行度を見比べながら、或いは全く自分のレベル感覚による。

やらず
(限定)仮に設ける突っ張り、筋交い、方杖
よごす
(限定)塗装や左官のモルタル塗り等で下地に一番最初に施す行程(下塗り)の事だが、意図的には何もしないままより、如何にも作業を開始し始めていることを明示するために行う事の言い換え。

りゃんこ
(限定)交互になっている様子
ロケット
(限定)スラブ(床版)での上筋用のスペーサー。形状がロケットみたいだから(?)→こしかけ
ろく 陸
(限定)水平のこと。「陸屋根」(ろくやね)は標準。<対>→ふりく


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